LIGHT AND DISHES no.27 レポート / 手仕事を伝える

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雑誌『家庭画報』の通販部門で、「バイヤー」と編集を担当している江口隆一さん。
今回は、江口さんのモノ選びの視点を知ることができる貴重な機会となりました。集まった方々も、物をデザインする人、物を売る人または雑誌編集者など様々な分野の人たち。

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江口さんは、今回「わたしのモノ選び」と題した小さなリーフレットを作ってきてくれました。その中には、湯わかしを例に素材違いを並べ、それぞれの特徴を書いてくれていて、実際に物を買うときのヒントになるような丁寧な説明入り。江口さんは 「みなさんもモノを買うとき”バイヤー”になったつもりで向きあうと、生活の中にこれまでと違う視点を持つことができます。」と話してくれて、なるほどと !
それは、掃除や片付けものをしているときでも、自分が持っている物の全体を把握できて本当に必要な物、大切にしていきたい物が見えてくるということだと思いました。

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お仕事では、多くのモノと出会いながら、『家庭画報』の読者層(購買層) をターゲットにした視点に基づいての商品選び、そしてオリジナルアイテム製作にまで関わる江口さん。そこには、世の中にある「もの」と「モノ」に対して俯瞰する独自の想いをお持ちのように感じました。
何気なく、あるいは「バイヤー」としてそれぞれが意識して手に取ったものは、最初は無機質な「モノ」でも使い、慣れ親しんでくれぱ、人格すら感じるような「もの」になっていき、物が者になっていくような感覚。お話しを聞いていると ”かわいい” が物選びの基準だったり。
“かわいい”は世代や性別でも対象に抱くイメージは違うわけで、確かに自分が物に抱く“欲しい”と思う瞬間って“可愛い”なのかもしれないと共感しました。

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最近、通販されたという竹籠のバック。これは、編んでいる籠の部分、内部の布の部分と、手仕事のこだわりを凝らした商品。数も限定数で発表すると、そう時間がかからず完売したのだとか。もちろん、価格も安くはありません。『家庭画報』の通販の購買層がハイエンドであるのはわかるのですが、それとともに価値をきちんとわかる方が多くいるということが素晴らしいと思いました。そのような方々のニーズもあって、伝統的な技をこらした手仕事がちゃんと残っていく。江口さんは購買層のエンドユーザーと作り手の間にいて、双方のバランスをとらなくてはいけない役割。だから、売れるからといってさらに数を増やしてひとつの商品の取り扱いの規模を大きくしたいとは思っていないようです。

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今回、参加していた中には、プロダクトデザイナーの人もいました。物をデザインする側として、とてもクリエイションを刺激されるような回だったそうです。一部ご紹介します。
“江口さんから出た「外に向ける眼(まなこ)」という言葉。デザイナーは、発信者側の個性が価値とも考えられる職業。自己満足や自己顕示にならず、誰に、どんな風に使ってもらいたいかという思いを込めたものこそ伝わる。ということを物を選ぶ立場の江口さんの話を聞くことで、改めてわかった気がします。” と話してくれました。私も、このように参加された方々が、ふだん気づかないことを知るきっかけになってくれることがとても嬉しく思います。

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「編集」という言葉を、いろんな分野からも聞くようになりました。メディア媒体に関わることに使われる「編集」から、人と人とをつなぐとき、様々なイベントやプロジェクト、日々の生活に関してさえも「編集」という意味合いで提案がされつつある昨今。“もの”と“人”とをつなげ、伝えるお仕事の江口さんのお話は、今回私にとって本来の「編集」という言葉の基本を考えるきっかけとなりました。
江口さん、みなさんありがとうございました !

店主 : 谷田宏江

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