まっすぐに素直に

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▲( LIGHT&DISHES first product. design: Takaki Takizawa , photo : Masaya Yoshimura)

// 自分のやりたいこと //

あけましておめでとうございます ! 2018年になりました。たにたやの今年の最初の営業は1月6日土曜日イベント、LIGHT AND DISHES no.35 ゲスト : 流 麻二果さんの会からのスタートです。この土曜日イベントもいよいよ3年目に入ります。
2017年のLIGHT AND DESHESは、模索しながらも、より自分が自分らしくいられる人たちに来てもらえた気がしています。
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▲ (2017最初のゲスト、ナガオカケンメイさんの時の一品。お題が「たこ」でした。)

この”自分が自分らしくいられる”という状況はそう簡単につくれないんじゃないかな・・と思っています。たにたやはオープンして2017年11月に3周年を迎えました。3年続けられたということは気づけば奇跡だったのではないかと、しみじみ思いました。多くの人たちに支えられ、お客さんから友人、身内親族、仕入先の各社、ご近所の方々、そして自分の本当にやりたいことをやるための精神力のおかげでもあり。意識しないうちに、3年の時間をゆっくりかけて自分らしい自分=自分が心地よいと思える という今の状況が徐々につくられていったのだとも感じるのです。
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▲ (2017の2月にたにたやの前の清澄通りが東京マラソンのコースになるというので、日曜昼営業を決行。その時のフードとしてつくったバゲットサンドウィッチ。)

たにたやを始めた理由にはいくつかあって。ブログやSNS、そしてお店営業中にお客さんに向かって話したりもしていた、自分の蓄積してきたデザインや照明のことを「場」を通して伝えていきたい。その場がたにたやであるというのが一つ。飲食店をやるんだという一本筋な志とは違っていて、自分の思いや考えを伝える場所として選択したのが飲食の場だったということ。それは、カフェ営業で自分がこの場所を価値が共有できる人に貸すという行為にも現れていたと思います。場所というのは呼吸をするように生きているものなのだというのを実感しました。

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▲( 2017の4月、照明取材でミラノに。そのあとにフィレンツェに食探求の遠征時に出会った美味なる一品。アーティチョークのオムレツ)

カフェ営業で3人の方にお貸しているスタイルも、お二人が卒業し現在は水曜のみお一人だけになりましたが、この”場所”が生きるということが特に大きく実感できたのは3周年記念の一つとして開催した「鮨 たにたや」イベント。食業プロデューサーの松田龍太郎さん代表の(株)オアゾさんとの共催。1日限り、たにたやがお寿司屋さんになるという内容。オアゾさんが送り込んだ鮨職人、伊藤優さんの握るオリーブオイルと塩で食べる寿司は私のお寿司に対する既成概念を破る新しくとても美味しいものでした。料理人の素晴らしい技術を見れたことも収穫。和をベースとした現代の家庭料理をテーマにしているたにたやにとっても貴重な経験となったイベントでした。きっと今年も、鮨たにたやは不定期に現れると思います。只今、こちらも計画中。
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▲ (暖簾は、以前よりお世話になっている江戸文字・寄席文字書家の橘右之吉さんにお願いしてつくりました。ひとつ夢が叶いました。)

// 株式会社 LIGHT & DISHES 設立 //

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▲(9月6日 が会社設立0歳の誕生日ということで、会社員時代からの友人たちと祝いました。)

上記たにたやを始めた理由のもう一つに、「いつか、自分がつくりたい照明をつくる」という思いがありました。本当に必要な光、照明を知るためには場が必要だったという考えから。2014年の2月に21年勤めた照明会社を辞めた時、ずっとお世話になっていた台東区・竜泉にある照明の工場の方に「照明が嫌になったのか ? 嫌じゃないないなら俺らとこれからもものづくりをやっていこうよ」と言われたことを思い出します。そもそも会社を辞めたのが「もっとものづくりの現場に居たいから」という理由でしたから、その理由へ自らが答えを出すために、たにたやを始めた時から準備をしてきたのだと思います。
デザインメディア2箇所(WebマガジンAXIS,モダンリビング)での照明をキーにしたコラム執筆もありがたいチャンスだと思っています。目指すテーマは”食のシーンに心地よい灯りを”。

以上のような流れで2017年9月6日に株式会社 LIGHT & DISHES を設立しました。たにたやをこの法人化により全体の核となる事業部という位置付けにしました。たにたやのシンボルになっているキャンドルの照明。これをモチーフにしたオリジナル照明第一弾を企画。冒頭の写真のものがそうなのです。ただいま今年の3月までに販売できるように準備中です。30個のみ限定販売です。
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▲ (第一弾オリジナルのプロダクトを発表するために1日店内の全ての灯りをキャンドルのみでやってみました。とっても幻想的で、集まったみなさんがとっても和やかな空気をつくってくれました)

法人化するなんて、よく自分でも思い切ったものだと思いましたが、私がたにたやという場所を通常の飲食店という役割の場と、もっと先を見てコンセプチャルな場所へと進化させていくことも自分がやりたかったことなんだと会社設立をし終わってから感じたこと。起きたこと、起こしたことから気づくことってあるんですね。
3年経って、ご近所の方をはじめ、定期的に来店してくれる方、必ずいつも気に留めて来てくれる方、そのみなさんが新たに連れてきてくれる方たちと、人が人を繋げてくれてたにたやに集まるという現象が見えてきました。
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▲ (いつも晩秋になると届く、たくさんの生姜。お友達で千葉で農家をされている方からの贈り物。感謝しながらジンジャーシロップをつくるのもこの時期の恒例に)

//自分のスタイルをつくり続ける = まっすぐに素直に//

イベント LIGHT AND DISHES で去年後半に恩人でもある寺田心平さんが来てくれました。飲食店たにたやは、寺田さんの会社tysons&company にとてもたくさんの刺激を受けてできていると言っても過言ではありません。食のシーンに大切なものは、美味しい料理だけでは無く訪れる人たちがみな笑顔で心地よい時間を過ごすことができる空間、照明、テーブルウェアに到るまでがつくる全体の空気。それは、寺田さんがつくっているレストランがひとつの文化をつくっているということに現れています。私は寺田さんのお店つくりにはもうほんの少ししか関われていませんが、いただいたご縁はずっと続くと思い多大に影響受けたスピリットを私も体現していき、恩返しをしていきたいと思っています。
本当に尊敬できる方からのエールに感謝しきりのひと時でした。

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▲ (代々木上原のGrisの一皿 カキフライ)

たにたや定休日に、いろんなお店に食べに行っています。まだまだ飲食店経営としても料理人としても未熟な自分が少しでも成長できるためにしていること。
去年は、約30軒近く行っていたようです。その中でも自分が料理、雰囲気の両方、またはどちらかに共感できたお店は、

喫茶にちよう、チャイナハウス、わくい亭、リ・カーリカ、市が尾 鳥よし、レ・コパン ドゥ ドミニク・ブシェ、336 ebisu、アジル、ドゥエ クオーリ、酒と鮨 梅軒、ラ・ボンヌ ヌーヴェル、ピッツァスタジオタマキ、クリスタ、雷庵、二毛作、晴弘、bar KAY、ドメニカ・ドーロ、塩、酒坊主、リストランテ エッフェ、焼き鳥一慶、順海閣 本館、CICADA、鮨 大海、Gris、かに福、羊香味坊

もう一度行きたい、何度も行きたいと思う店はそう多くはないのですが、教えられたことはたくさんあります。Grisの鳥羽シェフがウェブマガジンの取材で言っていた「料理なんて、結局美味しければそれでいい」ということ。基本に忠実につくれば美味しいものができるはず。そこにさらに自分の個性を出していくための考え方でもあると思うのです。既成にとらわれない発想、センス、驚きを美味しさでつくる。でも、Grisの料理は美味しければそれでいいとはいえ、美しい盛り付け、驚く発想、そして美味しく、お店の内装や照明まで心地よくセンスが良いものでした。私が共感したのは、何年も料理修行してきたり、海外で経験を積んだりしてきたということだけが大事なのではなく、自分たちが考える”自分らしい”をつくっていること。そこには、きっと無理がないんだと思いました。最近、私自身が今までの中で一番素直になっていることに気づきました。どうでもいいようなプライドを捨て、カッコつけることが無くなり、お店に来てくれる人たちのことを思い浮かべて美味しいものをつくることに向き合う。ただそれだけが楽しくて日々過ごしているような気がします。
上記のお店の中には、カッコつけてないカッコいい料理人たちがいました。そこからの影響はすごくあると思っています。

水野さん
▲(水野克俊さん器は、たにたやのテーブルウェアの中でも料理を選ぶ特別な空気があります)

今年は3月末から4月にかけて、陶芸家 : 水野克俊さんの新作の器と水野さんの器の展示会が六本木ミッドタウンのタイムアンドスタイルで開催される予定です。まだ企画段階ですが、たにたやで、水野さんの器だけで料理を提供するイベントウィークを計画中です。ありがたいことに、そんなお題をくれた水野さん、そしてタイムアンドスタイルに感謝。料理研究家でも無い、料理人としてはまだ駆け出しの自分だからこそ追求している家庭料理があります。水野さんの器はそんな普通の家庭料理を一瞬にして美味しく演出してくれるパワーがあります。

素直になる。カッコつけない。自分らしい自分になる。言葉でいうのは簡単ですが、そうは直ぐにはなれないのが人間だとも思っています。生きていく中で、いろんなことが起きたり、予期していなかったことや出会いがあったりするものです。去年法人化してから、今までに無い依頼の仕事が増えてきました。因果関係は無いと思いますが、総じて考えるとそれは全て今まで自分がやってみたかったことでもあったのです。引き受けてうまくできなかったこともあれば、それをキッカケに前進できたことも。そういうこと一つづつに挑戦していくことで、さらに自分らしい自分に近づけるのではないかと思いました。「仕事」=「やりたいこと」として選択できるのも今の自分だからこそ。今年のたにたやは、ちょっとこれまでのスタイルから変わっていくと思います。営業日が少し不定期になったりする時もあると思います。その反面、予約をいただけた日や、営業日はさらにクオリティの高い提供ができる。それを経て成長していくとも思います。 来てくれるなら誰でも良いというのではなく、たにたやに行きたい、たにたやの料理を楽しみにしているという人たちのためだけに自分の持っている最大限の力を注いでいけるようにと。だからそのために、// まっすぐに素直に// いつも目の前にあることに自分らしくいられるように。そして新しいことにまっすぐに挑戦していくという思いなのです。今年もどうぞよろしくお願いします !

店主 : 谷田 宏江

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